執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


「広瀬は今週末、俺と約束してるから」

 そう静かに言って田端くんを見下ろすのは、雅文だった。外回りから帰って来たんだ、と思いながら首をかしげる。

「瀧内くん?」

 別に約束なんてしていないのに。

 向かい合った雅文と田端くん。私の頭上で交わるふたりの視線の間に、ピリッとわずかな電気が走ったような気がした。

 一瞬その場がしんと静まる。

 しばらくすると雅文に見据えられた田端くんは舌打ちをした。


「わかった。今週はあきらめるから、そんな睨むなよ」と不貞腐れたように言いながら身を引いた。

< 59 / 283 >

この作品をシェア

pagetop