執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「じゃ、広瀬。俺は戻るわ」
「うん。リーフレットありがとう」

 フロアを出ていく彼を見送りその姿が見えなくなると、私の背後にいた雅文がっくりと肩を落とした。

 なにごとかとふりかえった私の前で、雅文は口もとで手をおさえながらうつむき、「あー、もう」と低いつぶやきをもらす。

「俺、すげーかっこ悪い」
「なにが?」
「広瀬がほかの男に誘われてるのを見ていられなくて勝手に断るとか、器小さすぎる」
「んん?」

 私が首をかしげていると、雅文は息を吐き出してから顔を上げた。

「広瀬、勝手に断って悪かった」

 そう謝られ、私は首を横に振る。

「私が断りづらくて困っていたからみかねて助けてくれたんでしょう? 瀧内くん、ありがとう」
「そうじゃない。ただ俺が広瀬を行かせたくなかったんだ」
「んんん?」

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