執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「でも祖父がちょっと変わった人で、俺の十八歳の誕生日のときに『金の使い方の勉強をしろ』ってまとまった額を貸してくれたんだよね。大学時代それを元手にトレーダーみたいなことをしていたから、そのときの利益が残っているのと株の配当が今でも定期的に入ってくる。ちなみに借りた分のお金は祖父にちゃんと返したよ」
そんな言葉を聞きながら、彼の祖父の豪快すぎる教育方針と、借りたお金を無駄にせずきちんと利益を上げられる雅文の有能さに感心する。
もし私が同じ立場だったとしても、どういうふうにお金を使えばいいのか見当もつかなくて、定期預金に預けてわずかな利息をもらうくらいしかできないと思う。
「御曹司じゃなくてがっかりした?」
そう言って顔をのぞきこんできた雅文に、私は首を横に振って笑った。
「まさか。安心した」
「なんで安心?」
「だって、こんなにかっこよくて有能な瀧内くんが、実家がお金持ちの御曹司だったりしたら、完璧すぎて近寄りがたいもの。雲の上の存在すぎて、緊張しちゃいそう」
私がそう言うと、雅文は少し複雑そうな表情を浮かべる。