執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「仕事中に悪い」
「いえ。これも仕事ですから」
スーツ姿のスタイルのいい彼に見惚れそうになる自分を戒めながら首を横に振る。
「相変わらず、すごい他人行儀」
不満そうな雅文のひとりごとは聞こえないふりをして、執務室の応接ソファに座る。すると私の足元を見た雅文が、何かに気付いたように目を細めた。
「そのパンプス、履いてくれているんだ」
そう言われ、ぐっと言葉につまった。
雅文からもらったこのパンプス。
形が綺麗なのに歩きやすくて、すっかりお気に入りになっていた。
「別に雅文がくれたからとかじゃなく、ただ履き心地がいいから……」
慌てて揃えていた足を引っ込め、追及されてもいないのに言い訳じみた言葉を並べてしまう。
そんな私に雅文は柔らかく笑い「似合ってるよ」と甘い声で言う。それだけで体温が五度くらい上がった気がした。
勘弁してよ。と心の中で文句を言いながら、そっと深呼吸を繰り返す。