執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「最近どう?」
向かいのソファに腰を下ろした雅文にたずねられ、ライバル店で同じ新商品が発売されたことや後輩の谷村くんのことなど、今日店舗巡回して聞いた話を要約して伝える。
「ライバル店って、トーワカフェのことだよな。俺も少し気になってた」
トーワカフェとは首都圏に数店舗ある新しいカフェチェーンだ。駅ナカや商業施設にテイクアウト中心の小さな店舗を出店している。
「でもトーワカフェとINO’S COFFEEでは店舗数も売り上げも全く違いますし、商品のクオリティもこちらのほうが……」
「そう。価格もクオリティもこっちのほうが高い。あっちはまるでINO’S COFFEEの劣化版だ」
雅文はそう言って眉をひそめる。
もしかして偶然じゃなく、故意にこちらと同じコンセプトの新商品を被せてきていると考えているんだろうか。
でも同時期に商品を発売するとなると、こちらのリリース前に情報を得ていないと無理だ。
そんなの、どうやって?
私が首をかしげていると、雅文は気持ちを切り替えるようにひとつ息を吐き出す。