妖狐の瞳に恋をした
「翡翠、私、最近悩んでいたことがあって・・・」

「あぁ、瑠璃を見ていたら何となく感じてはいたけど・・・」

「あ、あのね、私・・女として魅力ないのかな?」

「は?え?どういう事?」

翡翠は、何いってるの?っていう感じで怪訝な表情で私を見る。

「だって、こんなに一緒にいるのに・・おでこにキスだけで・・。

 翡翠はそれ以上何もしないでしょ・・・」

言ってしまった・・・。恥ずかしくて、翡翠の顔が見れない・・。

すると、次の瞬間には私の体は翡翠にギュッと抱きしめられていた。

「瑠璃がそんなことを考えているとは思わなかった。

 俺がちゃんと話してなかったから、瑠璃をこんなに悩ませて

 いたんだな・・」

囁くように翡翠はそう言うと、私から体を離し私に向き合った。
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