妖狐の瞳に恋をした
「瑠璃、俺はいつでも抱きたいと思っている。今現在も。

 でも、瑠璃に話してないことがひとつだけあるんだ。

 それを聞いても、瑠璃の気持ちが変わらないのなら、瑠璃の

 全てが欲しい。」

エメラルドグリーンの瞳が真直ぐに私を見る。

「話してない事って・・」

「瑠璃に俺の血を与えたことによって、妖狐化するというのは

 教えただろ。」

私は、翡翠の問いに頷いた。

「でも、それだけではまだ半妖なんだ。人間とほとんど変わらない。

 生活していても今までと何も変わらないだろ?」

私はまた頷く。

「だが、俺と交われば完全な妖狐となるんだ。

 だから、俺の欲だけで手を出してはいけないと思い抑えていた。

 瑠璃は、完全に妖狐になってしまっても後悔はしないか?」

翡翠は何を言っているのか・・・分かり切ったことなのに・・・。

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