妖狐の瞳に恋をした
一瞬目の前が真っ暗になったと思ったのに、今、目の前には祭りの

街並みが広がっていた。

「ええええ!何これ・・・」

「あの鳥居はいろんな空間と通じているんだ。」

「凄いね!瞬間移動かぁ~」

「瑠璃、ここにはいろんな妖がいる。人間だとバレると何があるか

 分からないから、絶対手を離すなよ」

「うん」

道の両脇には屋台が沢山並び、至る所から笛や太鼓の音が聞こえて

賑わっている。

店には美味しそうな食べ物や飾り物が売ってあった。

中には、人間には無理!?と思われるグロテスクなものを売っている

店もあったが、基本人間界と変わらない内容だった。

翡翠と二人並んで歩いていると、綺麗な髪飾りのお店があった。

「瑠璃、ちょっと見てみよう。これなんか瑠璃に似合いそうだ。

 どうかなぁ~」

「わぁ~、綺麗!」

それは鮮やかな青色の髪飾りでキラキラした飾りがついた物だった。

「これは今日の記念だ。」

そう言って私の髪に髪飾りをさしてくれた。
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