二度目は本物の恋をしよう【番外編追加】

夜10時ちょうど奥さんから電話がかかってくる。

「昼間おっしゃっていたこと、本当ですよね?」

「本当だけど…」

実は奥さんが離婚したくなくて私を惑わそうとしているだけかもと思わないでもなかった。

私は思い切って、島田さんから聞いていた話をした。お兄さんの家に居候していること。マンション売却の件でもめていること。離婚の同意は出来ている、ということ。私とは別れないと言っていたこと。

そして、昼間は嘘をついたけど恐らく、奥さんには会社で泊まりだと言っていた日は全部私の家に泊まっていたであろうことも。たまたま、今日は本当に出張だっただけだ。

「昼間も言ったけど、あの後から彼はこのマンションで暮らしてるし今までのことちゃんと謝ってくれて…お父さんにも許してもらうまで毎日通ってようやく先週、両親と、私の弟家族とみんなで食事したところだよ」

「よく…わかりました。あの、ごめんなさい。私はまた島田さんの言ったことを全部信じてしまって。事実はよくわかりましたけど島田さんから聞くことが嘘ばかりな気がして・・
私は今日奥様から伺った話を信じます。もう、わかりました。今日はお電話ありがとうございました。」

奥さんは、私の話を聞いてどう思ったのだろう。私を騙していただけではなく自分も騙されてたことがわかったのだ。離婚せず、まだ私と付き合い続けたいと思っている。島田さんを、また許すことができるのだろうか。


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