First Snow

「久しぶり。元気だった?いまこっちにいるの?」

「……」


本気で私が座っていたソファー席の隣に腰を下ろしたこの男。異様に距離が近い。

いきなり話し始めるなり第一声が「久しぶり。元気だった?」だと?


はぁ?ナメてんのかって頭の何処かでブチってと血管が切れる音がしたような気がする。

あなたのことを全く思い出さなくなって元気でしたけど、何か。

沸々と湧き上がる感情が顔にも現れ始め引き攣る口元。

社交辞令でもちゃんと笑えてるだろうか。

しかもプライベートな質問に答える義理なんてない!!!


ムスッと口を尖らせてだんまりをきめこむ私に男は短く溜息を吐いた。



「…その感じじゃ相当嫌われてるね」

「何を今更言いますか」

「しかも敬語、よっぽどだ」


なぜ好き好んで元彼とこんな形で友達の祝いの席で話さなきゃいけないのよ。


「やっぱり嫌われてるよな…」




なんて少し眉尻を下げて笑いどうしようかなと前髪を搔き上げる彼。

高校時代付き合っていた後輩。篠崎 輝(アキラ)。





今までの人生において、私が一番好きになった人。

一番好きになったからこそ、今一番会いたくなくてどうしていいかわからない人。



スラリとした体型は変わらず、高校時代とは違いイマドキになった彼を目の前に私は俯いた。
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