First Snow
文化系の部活動に所属していた私と、運動部に所属していた彼との接点なんてほとんどなくて。
ましてや学年も違ってなぜ付き合うまでに至ったのか。
たまたま委員会が一緒になって話し始めたのがキッカケ。
そこから委員会が一緒で時々廊下ですれ違っては挨拶したり、委員会の活動を共にするただの先輩後輩だったけど、あの日私たちの関係は変わった。
***
夕方の誰もない図書室。
散らかったカウンターに乱雑に置かれた本の山。
少し埃の被った本棚と机。
西日が当たりオレンジ色の影を落とす。
空気の入れ替えと称して窓を開けると、外からは運動部のホイッスルや賑やかな笑い声が聴こえてくる。
「さむっ……」
冷たい空気が流れ込む室内は微かに冬の匂いがする。
ぶるりと体を震わせ深く息を吸い込んだ。
「11月になりましたからね。もうすぐ雪が降りますよ」
「本当だねー。山の方ではもう初雪観測してるっていうし、今年も早いんだろうなぁ」
今日降ったりして?なんて他愛もない会話は続く。
部活動の時間なんてとっくに始まっているのに、厳しい運動部にいるはずの彼はその日なぜか私に付き合おうとした。