First Snow
だけど…そんな幸せは長くは続かなかった。
付き合って1年が経とうとしていた頃、3年生になった私はギリギリまで進路に悩まされていた。
どうしてもやりたいことがあって、でもそれは地元の北海道の大学では扱ってない分野。
本州の大学が主流で進学への道を本気で迷っていた。
でもそれはきっと言わずとも輝にもひしひしと伝わっていたようで、お互いに微妙な距離感が生まれてきた瞬間でもあった。
一緒に帰ってもその話題には敢えて触れない。
私も言い出しにくい。輝も聞きにくい。
高校生言えどまだ子供で考えが足りなくて、好きっていう感情だけで付き合った私たちにはお互いを傷つけずに当たり障りなく過ごす方法しか見つけることができなかった。
だから、あの日、私は彼にフラれた。
いつもの帰り道。
夕方には冷え込みが強くて、繋いだ手から伝わる熱が何よりも暖かかった…はず。
その日は手を繋がなかった。
いつもより口数が少なくて輝が何を考えているのか全くわからなかった。
「ねぇ大丈夫?具合悪い?」
「いや…大丈夫」
笑いもせずにそう言って巻いていたマフラーで口元を覆い隠した輝に何かあったのかな、と思いつつも深く聞けずにいた。
歩道橋を降りる手前、目の前を歩いていた輝がピタリと足を止め後ろへ振り返った。