First Snow

振り返った輝の顔は…寂しそうでちょっと泣きそう。

輝がポツリと呟いたが歩道橋の下を走る車の音に掻き消されて聞こえなかった。


「え?何?」


なんて言ったの?と輝の顔を覗き込むと輝はパッと顔をあげて眉を歪めながら一言言い放った。




「…別れよう」

「え……」



次はちゃんと聞こえたが、スッと全身の血の気が引くような言葉だった。

いま…別れようって言った?



「え…っと」

「ごめん…他に好きな子ができた。……別れたい」

「っ……」



11月、1年記念日をちょっと前に盛大にお祝いして、クリスマスまであと少しというところ。

こないだまでは二人で放課後帰りながらクリスマスプレゼントをどうするだとか、どこで過ごすとか…少しでも受験のストレスを発散出来たらいいね、なんて仲良くやっていたはずなのに。

そう思っていたのは私だけだったのかもしれない。



「じゅん、ごめん……」


苦しそうに眉をハの字にして私に頭を下げる彼。

正直ショックでどんな返事もしたかほとんど覚えてないし、どうやって家に帰ったのかすらも覚えてないけど



『輝と別れたんだ。私フラれたんだ』っていう自覚はあった。


でも自分は受験生だし、輝のことを思い続けながら受験勉強できるほど私自身器用な人間ではないとわかっていた。

でもこれでよかったんだ。

これで心置きなく、自分のやりたかったことを目標に進学することが出来る。

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