First Snow
「新郎の友人の方ですかー?」
「もしかして純花の知り合い?えー紹介して!」
「そっか!純花も茜も地元こっちなんだっけ?」
「まさか私たちに隠れていい感じだったり……?」
ニヤニヤしながら近づいてくる茜。
お酒入ったテンションの友人たちに取り囲まれてしまい完全に逃げ場を失ってしまった。
いい感じも何もない。
高校時代の元彼なんです、なんて紹介したくないしかと言って変に誤魔化すとお酒の勢いでボロが出そうだし…
私そっちのけで「仲良さげに話してましたが純花とどんなご関係ですか?」と輝に話しかけ始める友人達。
内心ハラハラしながら両手でグラスを握りしめて固唾を飲み込んだ。
「高校の後輩です。久しぶりに見かけたのでお声掛けしただけです。皆さんが思ってるような関係ではありませんよ」
それ以上でもそれ以下でもありません、と友人達にニッコリと笑ってみせる輝。
その言葉にグサッと心臓に何かが突き刺さるような感覚に襲われた。
そうだよ…私たちはただの、高校時代の先輩と後輩。
それ以上でもそれ以下でもなかった。
「えー純花にもこんなイケメンで爽やかな後輩いたんだ!」
「茜それは純花に失礼でしょ」
「だって純花の今まで付き合ってた彼氏冴えないような感じばっかりだったからこんな知り合いもいるんだなぁって」
「ちょっと、茜……!」