欲しがりな幼なじみ
神田を受け入れている世菜を見て、
じわじわと、焦りが広がった。
『ねぇ、由良くんってどんな人?』
その日の帰り道、世菜は俺にそう聞いた。
それだけでよく分かった。
世菜が、神田に惹かれているということを。
嫌でも分かってしまう。
「幼なじみだから、ね」
ポツリと呟く。
「何か言った?」と、そう聞く世菜に俺は笑って首を横に振った。
その瞬間、チャイムが鳴る。
2人して慌てて教室に戻り、2限の教科書を机の中から出した。
『……竹内くんは、何とも思わないの?あの2人を見て』
昨日の佐々木の言葉を思い出す。
何とも思わないわけ、ないじゃんね。