欲しがりな幼なじみ
"由良くん"と、名前を呼ぼうとしたとき、彼はキッとわたしを睨んだ。
「……意識しろよ、バカ」
吐き捨てるようにそう言って、由良くんはグッと襟を引っ張った。
「っ、ねぇ、何して……っ」
わたしの声を無視して、鎖骨の少し下あたりに顔を近づける。
チクッとした痛みを感じて、彼がわたしに何をしたのかを理解した時には、
由良くんはもうわたしから離れていて、そしてわたしにはキスマークが付けられていた。
「な、なんでこんな……」
相変わらず、わたしの頭の中は真っ白で、
それなのに由良くんはどこか余裕そうで、
「自分で考えろ、バカ」
こんなにドキドキしているのは、わたしだけなのかと、
わたしのこと、好きじゃないって言ったくせに、と。
そう考えたら、なぜか悔しくなった。