【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

「可愛いなぁ、今宵ちゃん」


ぬっと現れた理生が肩に腕を回す。心臓止まるかと思った。


「離せ」

「でな? お知らせなんだけど、駆あと一回授業さぼったら補習だって」


「は?」

「当たり前だろ。お前サボりすぎ」


「あと一回ってまじ?」


「まじまじ、先生が伝えとけって」


「やっば」


と言いながら笑いだす俺につられて笑う理生。


「笑いごとじゃねーだろ! もうすぐテストだけど駆って勉強してんの?」


「え? いつからテストだっけ?」


「来週……お前大丈夫かよ」


「やっば」


また笑う俺に、つられて笑う理生。


「だから他人事じゃねーんだからな! 今宵ちゃんと勉強デートでもしろよ」


「今宵って勉強できんのかなぁ」


できなそうだけどな。


そんな6月の中間テストはすぐそこまで迫っていた。


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