【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
そんな時、

「あーっ、駆くーん!」
「こんなとこにいたのー!?」


と、遠くから女子の声が聞こえたと思ったら、駆くんはいつも通りあっという間に囲まれてしまった。


途端にもやっとした気持ちが広がっていく。


「よかったね」

「何が?」


「だからぁ、今宵が西女のみんなともうケーキパーティできないってしくしく泣いた話が、まろやんから駆くんへと伝わったわけじゃん」


「二回も言わないで……!」


本当に恥ずかしいんだよ?


「それを駆くんはもっかいやろうって叶えようとしてくれてるわけじゃん? わかる?」


え……?


「そうなの?」


「そうなの!『けっこう頑張った』って本当に頑張ったんじゃない?ご褒美もらうために。

というかご褒美を作れるようにして、またパーティするために」


「え……そんなの……」


嬉しい……。

心の真ん中がきゅうんと痛くなって、熱を持つみたいだ。
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