【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
しばらくしてようやく、駆くんが女子から解放されて戻ってきた。



「駆くんがあんまり女の子と一緒にいるから、今宵不機嫌モードだと思うよ」なんてルイちゃん、いたずらっぽく言っちゃうんだもん……!


あたしは慌てて首を横に振った。


「そんなことないよ……!」


「あー、妬いちゃった?」


ってごめんを二回重ねた駆くんはあたしの頭をポンとたたいた。


どうしてそんなに嬉しそうに笑うの…意地悪。


「駆、じゃあまたあとで教えてね!」と煌びやかな女子生徒が一言残して去っていった。


「……綺麗な人」


年上みたいな、雰囲気が色っぽいっていうか……。


その子が魅力的だったからこそ、あたしの唇はこんなに尖がっているのかもしれない。

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