【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
そういう強い願いが叶ったのか、今日の授業は最後の一人、高橋くんで終わりだそうだ。
よかった、あたしは、次回組にまわされた……。
ほっと溜息をついたとき。
「衣川さんって字うまいよね。習字習ってたの?」
いつの間にか隣にいた音羽くんを見上げると、壁に展示されているあたしの字を見ていた。
「あ、うん。小学生の時に少し……」
「なるほどね。うまいわけだ」
「音羽くんも習ってたでしょ?」
あそこに貼ってある音羽くんの楷書体、何度みても見事だもん。
「祖父が習字教室してて、それで」
「えぇ、すごい」
こんな会話をしている間も、今日最後の生徒である一番お調子者で有名な高橋くんの筆は面白可笑しく跳ね上がり、笑いをとっている。
その時だった。
よかった、あたしは、次回組にまわされた……。
ほっと溜息をついたとき。
「衣川さんって字うまいよね。習字習ってたの?」
いつの間にか隣にいた音羽くんを見上げると、壁に展示されているあたしの字を見ていた。
「あ、うん。小学生の時に少し……」
「なるほどね。うまいわけだ」
「音羽くんも習ってたでしょ?」
あそこに貼ってある音羽くんの楷書体、何度みても見事だもん。
「祖父が習字教室してて、それで」
「えぇ、すごい」
こんな会話をしている間も、今日最後の生徒である一番お調子者で有名な高橋くんの筆は面白可笑しく跳ね上がり、笑いをとっている。
その時だった。