【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
「あの……どこいくの?」




「てか、誰? 俺の今宵をそんな……あられもない姿にしたの」



……俺の、今宵……。


ドキドキして視界が下がっていく。



「わ、わざとじゃないんだよ。そういう授業だったの」



「どんな授業だよ。でも墨汁でよかった」


「なんで?」


「水だったら透けてんでしょ。そんなのほかの男に見られたらたまんないから」



ぎゅっと手に力がこもって。



「見たやつ全員殺したくなるじゃん。ね?」



ね?じゃないから……。



「……もう」



だけどその怒りっぽい声に、ドキドキしてる自分がいる。


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