【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
ふと、駆くんが顔を上げた。


――ばちっと目が合う。


それだけで、こんなにどきどきする。


「がんばってね」


駆くんのいるところまで、この小さな声は絶対に届かないけど、駆くんは「おう」と口を開いて、片手を上げて見せた。


「見てて」


と駆くんの口が動く。

いつもより無邪気な笑顔に、あたしの心臓はたちまち、速さをあげていく。


きゅうって、した。


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