完璧人間サマは私に夢中。

「「え!?」」


大矢くんと藤村さんがハモった。


「うさぎちゃんさすが!!」


「うさぎちゃんじゃないです!

 呼び方変えてください!」


「じゃあ…うさちゃん!」


グッと親指をたてられる。


変わってな〜い!!



けど時間もないしとりあえず説明をしなきゃ!


周りに聞こえないように小声で…。



「5つの家が円状にってヒントから

 上から1、2、2って五角形になるように

 家を書いちゃうじゃないですか。

 それを逆にするんです。

 そうすると最も北になる家が2つになって、

 ヒントを矛盾しないように2つに分ければ…」


「「なるほど!!」」


またもやハモる大矢くんと藤村さん。


仲良し…?



そして私が考えたアイデアをもとにぐんぐん完成させていく地図。


柔軟な思考って固定観念にとらわれるな!ってことなのかな?


円状に5つだと上に角がくる五角形状に配置したくなるもんね。



『残り5分だぞー。』


「「できたぁ…!」」


「「「はぁ!?」」」


学年主任の残り時間に驚いたのか、はたまた大矢くんと藤村さんの声に驚いたのか、苛ついた声が聞こえる。



どうやら多くのチームはまだ突破口が見つかっていないらしい。



「うさちゃんのおかげだよ!

 やっぱりうさちゃんはすごいんだね〜。」


「いや、だから、大矢くん。

 うさちゃん呼びはやめてほしい…。」


「えー、かわいいのに?」


「かわいいかな…?幼稚な感じで嫌…。」


「わかったよ。

 じゃあ兎羽ぴょんね!」


「兎羽ぴょん…!?

 うさぎ抜けてないよねそれ!」


「別にあだ名でぴょんってつける人、

 普通にいるでしょ?問題ナッシング!」


「えぇ…。」



「僕のことは舜でいいよ〜!

 改めてよろしく、兎羽ぴょん♪」


「私も兎羽ぴょんって呼ぶ〜!」


「藤村さんまで!?」


「絵美って呼んでよ〜。

 名字じゃなんか距離を感じるっ!」



「舜くんと絵美ちゃん…。

 頼むからぴょんを外して…。」


「これ以上は譲らないよ〜!

 別に僕はうさぎちゃんでいいと思うし。」


「兎羽ぴょん、

 かわいいあだ名だと思うんだけどなぁ?」




こうして林間学校のレクで舜くんと絵美ちゃんと仲良く(?)なりました…。






< 73 / 237 >

この作品をシェア

pagetop