COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
ベッドが再び沈む。
枕の横に置かれた私の左手に温かい手がゆっくりと触れて、指を絡めた。
すると私の枕の右側がぐっと何かに押されると、ふわっと彼の香りに包まれた。
『…昭香さん』
掠れた声が上から降ってくる。
やっぱりバレていたか、そう思って目を開けようとした寸前。
唇に柔らかいものが触れた。
それが離れると、次は頬に触れる柔らかい感触。
『…好きだよ。
俺なら…こんなに泣かせたりしない…』
小さく掠れた、今にも消えそうな声。
彼はそっと私から離れると、私の隣に横たわる感触をベット伝いに感じた。
それを冷静に確認する一方で
私の頭の中では今までのことが一気にフラッシュバックしていた。