COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
Is he really a prince?

KAEDE.

Is he really a prince?


『ねぇ見て見て、楓王子。今日も超かっこいい!』

『本当だよね!あの案件、私が担当したかったー』


企画部のミーティングデスク。
営業の僕が受注した案件を企画部へ引き継ぐために、ここで会議をしているのだけれど。

女の子の噂話は声が大きい。

会社で一日を過ごしていれば、意識をしていなくても耳に入ってくる。
少しだけ浮足立った雰囲気の中、会議を続行した。


『徳重くん!』

会議を終えて企画部を出ると、後ろから呼び止められた。

振り返ると先程まで会議に同席していた企画部の女性が立っている。


『あの、ちょっと不安要素があって…

わからない事があったら、メールしてもいいかな?』


そう言うと、彼女は少し顔を赤らめて俯いた。

昔はこういうことにも鈍感だったが、
今となっては彼女が何を考えているのか大体はわかってくるというものだ。
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