COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

*

『わぁー!酔ったー!!』

『私タクシーで行くけど、理央ちゃん駅まで乗ってく?』

『あい!ご一緒させて頂きます!』

理央はおぼつかない足取りでパンプスに足をひっかけると
元気よく返事をしながら敬礼のポーズを取った。

「理央って酔うと、行動が完全にオッサンですよね」

『確かに』

酔っぱらいのサラリーマンと、美女。
まるで高級クラブのお見送りみたいだなと思うと、何だか可笑しかった。

『じゃあ、気を付けるんだよ?
花緒先輩、よろしくお願いします』

『あーい、おやすみなさーい』

何故か優香の言葉に理央が返事をすると、すっかり笑い上戸になった花緒がケラケラと笑う。

ガチャンと扉が閉まると、先程までの騒がしさが嘘のように静けさが訪れた。

『はー、静かになった』

「よし、優香!」

その声に彼女がこちらを振り返る。

「夜はこれからだーっ!
二人で呑みなおそうっ!!」


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*CAFE LATTE
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