COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
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『今日は突然誘ったのに、本当にありがとうございます』
「いや、全然。特に予定もなかったしね!」
駅ビルを出ると、賑わう駅の中を並んで歩く。
ガヤガヤとした構内はやり取りする声も自然と大きくなる。
『上半期も達成するんで、見ててください』
「お!さすがだね」
他愛ないやり取りに緊張はいつの間にか解けて、自然に笑えている事に気付く。
改札の前に着くと、どちらからともなく足を止めた。
『…この先も、昭香さんは僕の大事な先輩なのは変わらないですから』
振り返った彼は優しく微笑むと、少し照れくさそうに言った。
「もちろん。私だって大事な後輩だと思ってる」
心地の良い、どこか懐かしいこの距離感に心が安らぐ。
彼とまたこんな風に普通の会話が出来ることが、とても嬉しく感じた。