COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『よし…これで…』
花緒先輩が慣れた手捌きで、共有フォルダへファイルを格納する。
『終わりましたね!』
『お疲れ様』
室長と花緒先輩はほっとしたように微笑み合う。
端から見ていてとても息の合う二人だけれど、ここ最近は取り分けそう感じる事が多くなった。
室長が花緒先輩に対して、少しくだけた対応をするようになったのもその要因なのかもしれない。
二人を見つめてそんな事を考えていると、デスクに置いたスマートフォンが再び振動する。
確か、今日の朝もこんな事があったような。
少しの間、帰り支度をする手を止めて思考を巡らせた。
よくよく考えてみれば、今日はスマートフォンを一度もチェックしていない。
いつもならば昼休みにはいつもチェックしているのだけれど、今日は色々な事があり過ぎてすっかり忘れてしまっていた。