素直になれない夏の終わり
仕方がないので任せていたら、津田は夏歩の分としてモスコミュールを、自分の分としてカンパリソーダなるものを注文した。
酒に詳しくない夏歩は、津田の手元にあるメニューをチラッと覗き見る。
カンパリソーダの下には、“ビターオレンジを原料にしたリキュール。苦みと甘みのバランスが良い”と書かれていた。
三杯目は厳しいような気がしているけれど、とても興味をそそられる。
氷で薄まったレモンサワーの残りを飲み干して、夏歩はおかわりがやってくるのを待つ。その間に、タコのから揚げを二つほど摘まんだ。
「何か別のも取ろうか。サラダとかどう?」
「それより、枝豆がいい」
オーダー通りの枝豆と、頼んでいないサラダを取り皿に盛って、更に津田は刺身の載った大皿の前に移動する。
「お刺身はどうする?何がいい」
「じゃあ、マグロとイカとサーモン」
了解、と津田は皿に刺身を取り分けて、テーブルの端に置いてあった醤油のボトルも一緒に夏歩のもとに運ぶ。