素直になれない夏の終わり

津田が小皿に醤油を注いでいる間に、夏歩は枝豆を口に運んだ。

皮を押せば、中からプチっと実が飛び出して、薄く開いた口の中に吸い込まれる。
少し塩が効きすぎている気もするけれど、アルコールに合わせるのならばこれくらいで丁度良いのだろう。

幾つか枝豆を摘まんでいるうちにおかわりが届いて、しつこく津田に乾杯をせがまれる。


「さっきもしたでしょ!」

「さっきはほら、みんなでの乾杯でしょ。これは、個人的なやつ」


鬱陶しいので乾杯に応じると、ようやく津田が静かになる。
上機嫌な顔を横目に、夏歩はぶすっと不機嫌面でモスコミュールを一口飲んだ。


「ねえ、なっちゃん。こっちもちょっと飲んでみない?」

「飲んでみない!」

「そんなこと言って、ほんとは気になってるくせに。ほら、遠慮しないでどーぞ」

「遠慮とかじゃなっ、ちょっ、そんな近付けるなこぼ、……ああもう!!」


グイグイとグラスを近づけてくる津田に、夏歩は仕方なく自分のグラスをテーブルに置く。
渋々受け取って一口飲んで、夏歩の表情が変わった。
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