素直になれない夏の終わり
津田に背中を押されるまま、夏歩は脱衣所に半ば無理やり押し込まれる。
そこでようやく振り返った夏歩は、正面に立つ津田を思いっきり睨みつけた。
「私、今帰ってきたばっかりなんだけど」
「そうだね、お疲れ様。だからお風呂でゆっくり温まって」
「まずは部屋に入る」
「なっちゃんはそのままベッドに直行して寝ちゃうからダメ」
そんなことはないと言ってやったけれど、一瞬目が泳いだのを津田は見逃さず、説得力がないと切られて終わった。
「ちなみに今日の夕飯は、豆腐ハンバーグだよ。と言うわけで、またあとでー」
ヒラリと手を振って、津田が脱衣所のドアを閉める。
しばらくその場に立ち尽くし、ドアを睨んでいた夏歩だけれど、やがてくるりとドアに背を向けると、持たされた着替え一式をカゴに放り込んで、胸元のボタンに手をかけた。
津田の言いなりになるのは癪だけれど、ここまで来たら一旦部屋に戻って津田とやりあうより、素直に風呂に入った方が面倒がない。
「ねえ、なっちゃーん。お弁当勝手に出してもいいー?洗っちゃいたいんだけど」