素直になれない夏の終わり

コンロからちょっと視線を外して調理台を見れば、既に焼き上げられたハンバーグが皿の上に載っている。

焼き目がついてふっくらしていて、見るからに美味しそうなハンバーグ。

しばらくそれを見つめていたら、フライパンの方が端からフツフツし始めて、かと思ったら味噌汁もそれに続くような気配を見せ始める。

慌ててコンロに視線を戻した夏歩は、何をどうすればいいのかと、再び鍋とフライパンの間で忙しなく視線を行ったり来たりさせた。


「お待たせ。もう、なっちゃんってば、ちゃんと束ねておかないからコードがぐちゃぐちゃに絡まっ――」

「つ、津田くん!わ、沸いちゃう!これ沸いちゃうよ!!どうすればいいの!?どうしたらいいの!?」


ようやく聞こえた救いの声、ならぬ津田の声に、夏歩はいつもなら絶対に出さないような縋るような声でもって助けを求める。

視線を外すのが怖かったから、振り返ることはせずに視線は鍋とフライパンの間を行ったり来たりさせたまま。
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