素直になれない夏の終わり

半分に割ったハンバーグを更に一口分に割って、キノコ餡をたっぷり絡めて口に運ぶ。
ハンバーグが口に入った瞬間、餡の熱さに堪らず閉じた口がはふっと開いた。


「どう、初めての豆腐ハンバーグは。美味しい?」


はふっと開いた口をはふはふと開閉させて、なんとか口内の熱を逃がしているところに、津田が笑顔で問いかける。

それどころじゃない!と言ってやりたいが無理なので睨みつけると、「涙目のなっちゃんとか可愛すぎる……」との呟きが聞こえた。

何か言ってやりたいところだが生憎と今はそれどころではないので、夏歩は水を取りに行こうと立ち上がる。


「ああ、待って。俺が行く」


動きで察したらしい津田が、夏歩を手で制してから素早く立ち上がってキッチンに向かう。

冷蔵庫を開け、何か細長いものを取り出すと、食器棚から出したコップに中身を注いで戻ってくる。

はい、と渡されてすぐさま口をつけると、それは麦茶だった。

麦茶など常備していた覚えのない夏歩が、一息ついたところでどうしたのかと聞くより先に、津田が口を開く。
< 175 / 365 >

この作品をシェア

pagetop