素直になれない夏の終わり

「食べ終わったら、俺が片付けてる間に支度してね。天気がいいから暖かそうだけど、途中で寒くなるかもしれないから、羽織るものは必須で」


ここで、やっぱり行かないと言ってやろうかしばし迷ったけれど、結局夏歩は何も言わずにおにぎりを頬張った。

津田は諦めが悪い男だ。夏歩はそれを嫌というほど実感している。

そんな津田が一緒に行くと決めたなら、夏歩はもう一緒に行くしかないのだ。
基本的には押しに弱い、正しく津田の言う通りである。


「もう、なっちゃん。せっかくのお出かけなんだから、もう少しこう、気分上げていこうよ。いつからそんなにインドアになったの?」

「……割りと昔からですけど」


答えてから、夏歩はもそもそとおにぎりを齧る。汁物代わりの麦茶を挟んで、またもそもそと。


「もうちょっとやる気だそうよ!こんなにピクニック日和のいいお天気なんだからさ」

「そもそも、アウトドア派と同じようなテンションをインドア派に求めるのは間違ってると思う」

「俺だって別に特別アウトドアなわけじゃないよ。ただ、なっちゃんとのお出かけが楽しくてテンションが上がってるだけ」
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