素直になれない夏の終わり
「津田くんはここにいたらいいでしょ。て言うか、ついてくるな!」
「そもそも、なっちゃんだってついて行く必要はないと思うよ。お呼ばれしたのは美織だけなんだから」
「だからって、行っちゃいけないってことはないでしょ!」
「なら俺だって、ついて行っちゃいけないってことはないよね」
ヘラっと笑った津田を、言い負かされる寸前の夏歩は悔しげに睨みつける。
そんな二人に向かって、美織は呆れたようにため息をついた。
「もう、二人してここにいなさい。いいわね。しばらくお喋りしたら戻ってくるから」
まるでお母さんのように、二人(主に夏歩)に向かってそう言って、美織はさっさとテーブルを離れる。
あっ、待って!と腰を浮かせた夏歩だが、隣の津田にサッと手首を掴まれて、美織を追いかけることは叶わなかった。
ちょっと!と抗議の声を上げたところで、返ってくるのは「まあまあ」となだめる言葉と笑顔。
「ここにいろって、美織お母さんが言ってたでしょ。ほら座って、なっちゃん。から揚げもっと食べる?」
ヘラっと笑う津田を、夏歩は鋭く睨みつけた。
そんなことをしたところで、津田は怯みもしないので、全く何の効果もないのだけれど。
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