素直になれない夏の終わり
そのスプーンを使ってマシュマロを沈めたり、掬って一口齧ったりしながら、夏歩は念願のココアを堪能する。
その隣で津田は揚げたてのフライドポテトを、はふはふと熱そうに、でも美味しそうに食べていた。
「なっちゃんも食べない?美味しいよ」
はい、あーん。と返事をする前から口元に差し出されたフライドポテトを、夏歩は顔を引いて避け、新しいものを勝手に摘まんで口に入れる。
ああー!と声を上げ、わかりやすく、もしくはわざとらしくしょげた津田はもちろん無視。
カリッとしていて熱々のフライドポテトは、少し塩気がキツいような気もしたが、確かに美味しかった。
朝ご飯を食べたばっかりなどと津田には言ったけれど、勧められるままに夏歩もフライドポテトを摘み、ココアを飲みながら歩いていく。
しばらくすると、夏歩にもなんとなく津田が向かっている場所の検討がついた。
「……ねえ、もしかして津田くん、駅に向かってる?」
「まあ、最終的に目指してるのは駅じゃないけど、とりあえずは駅に向かってるよ」