素直になれない夏の終わり
そこが最終目的地ではなく“とりあえず”と言うところに、夏歩は嫌な予感がした。
駅の裏手には公園のような、ちょっとした広場のような開けた場所があって、そこには東屋やベンチが設置してあるのでお弁当を広げるには中々悪くない場所だと思うけれど、津田が向かっているのは駅の裏ではなく駅の中、おかげで夏歩の嫌な予感はどんどん増していく。
「……最終的にはどこに向かってるの?」
答えはなんとなく予想がついていたけれど、念の為に聞いてみる。振り返ってヘラっと笑った津田は案の定
「着いてからのお楽しみ」
と答えた。
もしも新幹線乗り場に向かおうものなら全力で止めよう、もしくは全速力で逃げようと思っていた夏歩だが、幸いにも津田は新幹線乗り場には向かわず、普通列車の切符を二枚買った。
「ああ、良かった、間に合った」
改札を通るとそこには既に電車が止まっていて、それを見た津田が安堵の息を吐く。