素直になれない夏の終わり
何言ってんの、意味わかんない……と呟くように返した言葉は、動揺したせいか思ったほど声が出なかった。
その為津田には届いてなかったのか、そそくさとリュックを下ろした津田が「そろそろお弁当にしようか」と話題を変える。
「よし、なっちゃん。敷物しいたら、風で飛ばされないよう重しの代わりに座って」
「……重しの代わりって、わざわざ言う必要あった?」
道はまだまだ先がある。どこまで続いているのか、どこに続いているのかはわからないけれど、それでも津田の目的地はこの場所なので、当然お弁当もここで食べる。
流石に道のど真ん中に敷物を敷くわけにはいかないので、道から外れた草の上、なるべく石や張り出した根のない平らなところを選んで、津田は敷物を広げた。
「この先って、何かあるの?」
先行して重し代わりに敷物に乗った夏歩は、まだ先のある道の方を眺めながら問いかける。
行き止まりか、それともどこかに続いているのか、また同じような木ばかりが並ぶ景色に戻る道。
敷物の端をリュックで抑えていた津田は、ひと段落したところで顔を上げ、夏歩が見ているのと同じ方向を眺めた。