素直になれない夏の終わり

それに心霊スポットの近くでお弁当を食べるより、多少景色は味気なくなったとしても、駅舎のベンチの方がずっと安らかな気分でお弁当を食べられる。


「なっちゃんってさ、変わってるよね。怖い話が苦手なのに、美織とホラー映画とかは観に行くんだもんね」

「それとこれとは違うの!だって映画は作り物じゃない」


そう、どんなに怖かろうがリアルだろうが、結局は作り物なのだ。そう思うとその怖さも楽しめる。

でも心霊スポットとなるとそれは最早本物で、そんなもの楽しめるわけがない。


「それはまあ、そうだけど。でも、そんなに怖がることないと思うよ。だってほら、知る人ぞ知るってことは、そんなに有名じゃないってことで、それはつまり出る確率が低いってことでしょ」

「それは津田くんの勝手な見解でしょ!場所柄あんまり有名にならなかっただけで、実は物凄い出没率だったどうするのよ!!」


その時はそうだなあ……と津田は敷物の上にリュックから出したお弁当やら水筒やらを並べていく。

どうやら、これから駅に戻って駅舎でお弁当を食べると言う夏歩の案は密かに却下されたらしい。
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