素直になれない夏の終わり
「なっちゃん、おかずも食べて。ほら、ウインナーはタコさんにしたんだよ。外でお弁当と言ったらやっぱりウインナーはタコかと思って」
「……言っておくけど、タコだからって飛び上がって喜んだりしないからね。私のこと、一体いくつだと思ってるの」
小学生の時は、遠足なんかでお弁当を開けた時、ウインナーがタコの形だったりすると嬉しかったけれど、それだって低学年の頃の話だ。
「いくつって、俺と同い年でしょ。高校の時はクラスメートだったんだから。ああでも、なっちゃんの方が誕生日が早いから、やや年上と言えないこともないのか。もしかして、タコよりカニ派だった?」
「そういうことじゃない!」
カニがいいかタコがいいかという話ではなく、もうそんなことで喜ぶ年ではないのだと主張したかっただけだ。
わざとなのかなんなのか「まさかのワニ派……」と呟いている津田はもう面倒くさいので無視することにして、夏歩は用意されていたピックを使って容赦なくタコ型ウインナーを突き刺した。