素直になれない夏の終わり

仕方ないか……とまた呟いて、美織はもう一度夏歩の肩を軽く揺すった。


「夏歩、悪いけど後のことは津田に任せるから。何にもないとは思うけど、もし万が一何かあったら、その時は飲みすぎた自分を恨みなさい」


わかった?と美織が聞くと、夏歩は「はーい」と大変いいお返事で手をあげた。
絶対にわかっていないけれど、返事をしたからにはこれで良しとする。


「そう言うわけだから、後は任せた。どうせあんたのことだから何もしないとは思うけど、万が一があった時には……覚えておきなさい」


夏歩には自己責任だと言っておきながら、津田にもしっかりと釘を刺すことは忘れない。

ドスが効いていると言って間違いないような美織の声音に、津田はビビったのがバレないように神妙な顔を作って頷いた。


「津田って、夏歩のアパートに行ったことはあるのよね」

「引っ越し手伝った時に一度だけ」

「なら、場所は問題ないわね」


津田は頷き返した後に、「他には何かあるの?」と尋ねる。
それに美織は「まあ、行ってからのお楽しみね」と答えた。


「とりあえず、部屋に入ったら何より先に電気を点けることね。それと、足元に充分注意しなさい」



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