素直になれない夏の終わり
「ねえ」
「なに?なっちゃん」
険しい表情の夏歩とは反対に、津田は楽しそうに笑って答える。
「スーパーに、行くんだよね」
「うん、そうだね」
「いつもの、スーパーに……」
「そうとは言ってないかな」
夏歩が隣に視線を向けると、ヘラっと笑った津田が降車ボタンに手を伸ばした。
そう、現在二人は、バスに揺られているのである。
「……一体、どこに向かってるの」
夏歩の疑問に答えることはなく、津田はバスが止まったところで「降りるよ」と立ち上がる。
促されるままに降り立ったのは、スーパーはスーパーでもただのスーパーではなく、スーパーも入っているショッピングモール前の停留所だった。
「……話が、違う気がする…………」
「そんなことないよ。そもそも俺、いつものスーパーに行くだなんて一言も言ってないしね」