素直になれない夏の終わり
「“ただいまカレーパン揚げたて”なんだって。これはもう食べるしかないよね」
津田の言う通り、“ただいまカレーパン揚げたて”と書かれた紙が、ATMとの境になっている壁に貼ってある。
「パンか……」
それもありだな、と夏歩は思った。
トレイ片手にパンを物色している人の姿はチラホラあるけれど、入って行くのを躊躇するほどの数ではない。
もう一度フードコート内に視線を戻した夏歩は、先ほど目星をつけていた店を順番に眺めてから立ち上がった。
「決まった?何にするの」
一緒に立ち上がった津田の問いに、夏歩は指を差すことで答える。
示された先を見て笑みを浮かべた津田は、「よし、じゃあ行こう」と先に立って、通路を横断した。
「見て、なっちゃん。フランスパンも焼きたてだって。美味しそうだね」
「……別にいいけど、それをおやつに食べるの?」