素直になれない夏の終わり
もちろん、ロールキャベツをシチューで煮ることが美味しそうかどうかではなく、津田は一体何の話をしているのかについて。
交換した半分のカレーパンを食べ終えるまで考えて、それまで何も言わずにずっと待っていた津田に向かって、夏歩は言う。
「“夕飯の話なんだけどさ”みたいな前置きが欲しかった」
「あれ、わかんなかった?来る時にその話してたから、と言うか今日のメインはそれだったからわかるかと思って」
確かにショッピングモールにたどり着くまでその話をしていたけれど、それから時間が空いているのだから前置きは必要だろう。
「で、どう思う?ロールキャベツをシチューで煮るの。もっと簡単に言うと、シチューにロールキャベツをぶち込むの」
「……言い方。それに、わざわざ言いなおしてくれなくてもわかる」
そう?と言ったかと思ったら次の瞬間津田は
「あっ、更にいいこと思いついた!」
漫画かアニメだったら、頭上に電球のマークが出ていそうだなどと思っていた夏歩は、続いた津田の言葉に再び固まることになる。
「今日の夕飯は、一緒に作ろうか、なっちゃん!」