素直になれない夏の終わり
「キャベツの上に具を載せるでしょ、そしたらこうやって巻いて、端をたたんで残りもまた巻く。あとで上からベーコン巻くから、とりあえず巻き終わり下にして置いておいて」
「は?え、なに?ちょっと待って」
「はい、肉載せておいたからあとは巻いて」
「だからちょっと待ってってば!」
訴えも虚しく津田はちっとも待ってくれないから、夏歩は言われるがままに、先ほどの津田の手順をなんとか思い出しながらキャベツで肉だねを巻いていく。
「いいね、なっちゃん。上手だよ。ほら、やっぱりなっちゃんはやれば出来る子だった。あっ、そこちょっと肉がはみ出してる」
「……ねえ、交代しない?私そろそろシチューの担当に戻りたい」
「ああ、大丈夫。そっちは俺がやっておくから」
「話が違う!!」
吠える夏歩に構うことなく、津田は夏歩が一つ巻いている間に隣に次のキャベツを広げて肉だねを載せ、その合間にシチューを作っていく。
「手作り感があって凄くいいね、なっちゃん」
「不器用だってはっきり言ったらいいでしょ!もしくは下手くそだって」
結局、津田は最初の一つを見本代わりに巻いただけで、残りは全て夏歩が巻くこととなった。