素直になれない夏の終わり

「そう言えば、美織ってお休みの日はいつも裕也くんのところに行ってるの?」


名前が出たついでに、夏歩はふと気になったことを聞いてみる。
美織はそれに「流石にいつもじゃないわよ」と笑って答えた。


「あたしだってたまには休みたいし。でも、やってみたら結構楽しいのよね。だから、お手伝いメンバーの中だと、あたしが一番多く手伝いには行ってると思う」

「……たまにでいいんだ」


夏歩は、驚きと感心でポツリと呟く。

自分だったなら、休みの日は一日何もせず家でゴロゴロしてちゃんと休んで、一週間の疲れを癒したいところ。

最近は津田のせいでそれも出来ていないけれど、それでも美織のように休みの日まで働いているわけではない。所詮は遊びの予定だ。


「それに、裕也の作るまかないがすっごく美味しいのよ!余った食材でパパっと作ってくれるんだけどね、正直メニューに載せるべきだと思うものばっかり。最近だと、キノコとチキンのピラフが出たんだけど、それはもう美味しかった」


楽しそうに語る美織の顔には、特別疲れが滲んでいるようなこともない。本当に楽しんでいるのが伝わってきて、自然と夏歩も口元に笑みが浮かんだ。
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