素直になれない夏の終わり
「前は“津田のことなんて好きじゃない”なんて言ってたけど、なんだか毎日楽しそうだし、そろそろその気持ちにも変化があったんじゃないの?」
変化……と今度は心の中で呟いて、夏歩は美織の言う津田に対する気持ちとやらについて考えてみる。
うーん……と唸りながらしばらく考えて
「いや、特には」
答えた瞬間、「ほんとに?」と真剣な顔の美織に再度問いかけられた。
問いかけと言うか、それはもう尋問のような威圧感があって、夏歩は思わず「えっと……」と視線を泳がせる。それが、とてもよくなかった。
「相変わらず夏歩は素直じゃないのね」
何かに納得したようにそう言って、美織が呆れたようにため息をつく。
「いや、素直じゃないとかそういうことではなくて……」
「夏歩は素直じゃない、津田は諦めが悪い、ある意味最強よね。あんた達って」
「……いや、あの……何か誤解が生じているような気が……」
「誤解って?」