素直になれない夏の終わり

「じゃあさ、すきっ腹にアルコールはよくないから、何か食べなよ」


そう言って津田は、サーモンのカルパッチョを取り皿に盛って、夏歩の前に置く。

それは先ほど、冷蔵庫から出した値引きシールのついた刺身のサーモンと、野菜室にあった野菜、それにイタリアンドレッシングで津田がちゃちゃっと作ったもの。


「あとこれも、あったかいうちが美味しいよ」


次に夏歩の前に置かれた皿には、ポテトグラタンが取り分けられている。

こちらも、津田が棚の奥に眠っていたグラタンの素と冷蔵庫に残っていたじゃが芋を使って作ったもの。


「ご飯は締めでいいよね。今日の夕飯用に作ったピラフがあるんだ」

「……何なの?パパっと色々作りやがって」

「なっちゃん、言い方」


苦笑する津田からふんっと視線を外して、夏歩はチューハイを煽るように飲む。


「だから、その飲み方はよくないってば。なっちゃん、自分がお酒に弱いってことちゃんと自覚してる?」


またも「うっさい!」と一言返して、夏歩はカルパッチョを口に押し込む。
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