素直になれない夏の終わり
胃袋に突き刺さる個性とはなんだと思ったけれど、説明されても理解できる気がしなかったので、夏歩は聞き流すことにした。
それよりなにより気になるのは、カレールーを作ったと言うこと。
「……カレールーって、作れるの?」
うん、と津田は頷いた。
「カレー粉って知ってる?色んなスパイスが配合された香辛料で、スーパーに売ってるやつ」
「バカにしてる?カレー粉くらい知ってるから」
いくら料理をしないとは言っても、カレー粉の存在くらいは知っている。
色んなスパイスが配合された香辛料と言うよりは、ただ単にカレールーを粉末にしたものだと思ってはいたけれど。
「それは失礼しました。えっとね、そのカレー粉とあと小麦粉で作るんだけど、まずはフライパンにサラダ油を――」
「ストップ!」
“を”の口で夏歩の言う通りストップした津田は、そのままコテっと首を傾げる。