【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「おはよう、沖田さん」
「勝又……さん……?」
眼鏡を外しているけれど、印象的な切れ長の目は紛れもなく彼のもの。にっこり微笑んだ彼は、布団の中から腕を伸ばして私の髪に触れようとした。
その時ふと、彼の肘から肩にかけて連なる、派手な和柄のタトゥーが目に入る。私は思わずびくっと身をすくませて、彼の手から逃れた。
うそ……こんなの、今まで気が付かなかった。銀行で見かけた時はスーツ姿だったし、ジムで会った時も、彼は長袖のトレーニングウエアを着ていたから……。
「ああ……もしかしてこれにびびってる? せっかくだから見せてあげようか、全部」
「よっ」と声を上げて身を起こした彼は上半身裸で、その広い背中には、肘から続いたタトゥーが一面に施されていた。
今時おしゃれでタトゥーをする人も珍しくないけれど、勝又さんのそれには独特の迫力があって、彼がカタギの人間じゃないと証明しているようだった。
「あなたはいったい……」
「ごめんね内緒にしてて。俺、不動産会社の社長なんて嘘でさ。今ふうに言うと反社会的勢力?のナンバーツーなんだ。勝又組って知らない?」
勝又組……ニュースで少し聞いたことはある。でも確か、ひと昔前に組長が逮捕されてからは組織内の統率が取れなくなって、その勢力は衰えているんじゃ……。